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音と珈琲のお部屋 cafe&bar「音屋」。 浦添牧港でムジカは今日もお留守番。 誰か遊びに来ないかなぁ。
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大都会で生まれ育った私がこの街に来たのが半年前。

大失恋後の癒しを求め、ただシンプルに暮らしたくてこの街に来ただけなのに。
彼女は突然私の前に現れた。

何故か懐かしい重そうな扉があるBARの前で
神経質そうな男とそのBARに入っていくところだった。

女性としてはさほど大きくもなく平均的な身長にもかかわらず、
何故大きく見えたのだろう。

年齢は30才前後だろうか、少し遠目から見る彼女の何気ない歩き方は凛々しく、
きっとしなやかであろう、その骨格をほどよくメリハリのある筋肉て包み込んでいる。
今まで体感したことないおおらかさが光を放ちながら私の全身に突き刺さってきた。

理解ができた。

彼女から湧きいでるそのエネルギーが大きく感じられたのだ。
私の心に真夏の太陽が降り注いだ。

まずい!もう二度としないと決めたはずの恋だ。

(MIZoo)

がらっと重い扉を開けて中を見回す。
カウンターには
老紳士と神経質そうな男、そして“彼女”が座っていた。
誰も話さず、手元の飲み物を見つめている。
JAZZだけは静かに実らぬ恋を歌っていた。


“彼女”がいるバーに吸い込まれた私は、
マスターに促されるまま
2組の間にポツンと空いたカウンターチェアに腰をかけた。

オーダーをしようとマスターの顔を見るや否や
初めての土地と不慣れなバーで緊張していたのか、
一気に糸が張りつめ、慌てた私は
とっさに以前に出会った光景を再現してしまった。

「ロイヤルミルクティーをアイスで…」

言葉を発すると同時に、顔が熱くなるのを感じた。
顔があげれずに、たった1人でスポットライトを浴びたよう。

(こんな深夜のバーでロイヤルミルクティーなんて!しかもアイス!
いくら他のバーで頼んでるお客を見たからって。まるで子供みたいじゃないか。)

「はい、かしこまりました。」
皺が優しく笑い、マスターは奥の厨房へと向かった。

マスターはかなりの高齢のようで
顔の皺が年輪のように深く静かに刻まれている。


マスターが奥に行ってからしばらくたつ。
身勝手にも、急に申し訳なく思った私は
誰かに同意して欲しくなり、常連であろう老紳士に声をかけた。
「…大丈夫でしょうか?しかもアイスなんて…なにぶん緊張してて…」

そっと顔を上げた老紳士は
深く深く頷いて微笑みながら口をひらいた。

「ここのロイヤルミルクティー、ホットもアイスもなかなかのもんですよ。」

(コニー)


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コメント
無題
「それより、どこかでお会いしました?」

「私は生まれた時からこの街にいるんだか、一度どこかでお会いしたような・・・。この店も40年以上も通いつめているんだが。」

カウンターの老紳士は懐かしい表情で、そう話しかけてきた。
【2009/01/09 13:47】 NAME[(MIZoo)] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
つづきを聞いてしまった私は
もうそれしか浮かびません。
どなたかどか〜んっとやっちゃって!

マジで!?
こうきた!?

いいたいです!
【2009/01/13 19:35】


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プロフィール
HN:
MUSICA
年齢:
17
性別:
女性
誕生日:
2008/01/06
職業:
店長代理
趣味:
翻弄
自己紹介:
気ままな日々に喜びを。

毎日20時から
ひっそりお留守番。
お酒はもちろん
自家焙煎珈琲や
エスプレッソ
ナポリピッツァ
トリッパ
自家製スコーンに季節のジャムで
こっそり夜カフェ&バー始動中。

場所:浦添牧港
目印:深緑のミニクーパーと丸大スーパーさん

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